沖縄でFIT終了後の家庭用蓄電池☆ダブル発電に注意!
沖縄ではFIT終了後の家庭用蓄電池需要が増えましたが、「ダブル発電」について理解せずに導入し、売電価格の更なる低下に戸惑う声も聞こえます。
長年太陽光発電システムで売電をしていた家庭でも、沖縄で家庭用蓄電池を入れる時に、「ダブル発電」までは注意せずに選んでいた家庭は多いですよね。
契約時の売電価格での買電を10年間保証してくれる「FIT」制度が終わったら、ただでも大幅な売電収入低下が予想されるなか、出来るだけ売電価格を下げたくない想いは当然です。
そこで今日は、太陽光発電システムを導入している沖縄の家庭で、家庭用蓄電池を後付けする際の「ダブル発電」について…、基本的な知識や注意点をお伝えします。
沖縄でFIT終了後の家庭用蓄電池☆
ダブル発電に注意!
「ダブル発電」とは
「ダブル発電」とは、太陽光発電システムに限らず、あらゆる創エネ機器を同時に利用して「ダブル」でエネルギーを創り出すことを言います。
では「創エネ機器」とはどのようなものでしょうか…。
【 沖縄で家庭用蓄電池導入☆ダブル発電とは 】
★ 「ダブル発電」の対象となる「創エネ機器」は、下記のようなものを指します。
① エネルギーを創出する機器
→ 太陽光発電システムの他、ガスからお湯や電気を創り出す「エネファーム」(2017年9月30日までは「エコウィル」など)なども「創エネ機器」です。
② エネルギーを貯める機器
→ 蓄電池は電気を貯める機器ですが、これもダブル発電の対象となります。この他、電気自動車も蓄電池と同じ役割です。
★ ただし、これらの蓄電機能を持つ機器は、その種類や使い方(機能)や設定によって、ダブル発電とみなされる場合と、みなされないケースに分かれます。
…これらの創エネ機器を併用して発電を行うと、その家庭の電気の総創出量は大きくなり、「押し上げ効果」が置きるのですが、これが売電価格を低下させ、問題になりました。
実は同じ太陽光発電システム+その他の創エネ機器の併用を行っても、その太陽光発電が10kWh以上のパワーであれば、ダブル発電による売電価格の低下は起こりません。
けれども多くの家庭の太陽光発電システムの発電量は10kWh未満なので、この「ダブル発電による売電価格の低下」現象が起きてしまいます。
ダブル発電による「押し上げ効果」
沖縄で家庭用蓄電池を導入する時、「ダブル発電」について知らない内は、単純に節約しながら売電量が増え、「お得なのでは?」と思いますよね。
ガスを利用してエネルギーを創出する「エネファーム」などを併用すると、さらに発電量は底上げします。
そもそも本来は、契約当初の売電価格で買電を10年保証する「FIT」は、太陽光発電を個々の家庭に定着させ、再生可能エネルギーを広める目的がありました。
【 沖縄で家庭用蓄電池導入で「ダブル発電」☆売電価格低下の理由 】
★ ダブル発電になると、ガス発電の「エネファーム」で家庭内の消費を賄うことが出来るため、太陽光発電による電気が「押し上げ」られ、余剰電力が増加します。
→ その増加した余剰電力が売電されることになり、間接的ではありますが、電力会社は太陽光発電による電気だけではなく、間接的にではあるものの、エネファームによる電気まで買い取る形です。
→ …とは言え現在は「どの創エネ機器で発電したのか」まで細かく分析できません。
→ そこでダブル発電をしている家庭には、その平均値から「20%の押し上げ効果がある」として、一律で20%安い80%の売電価格を設定しています。
沖縄でFIT終了後に家庭用蓄電池を導入する家庭では、このダブル発電による売電価格の80%安について、理解していない家庭も多く、明細を見てから驚く方も多いです。
「ダブル発電」を避けるためには?
とは言え、太陽光発電システムの後付けとして、沖縄の家庭で家庭用蓄電池を入れても、「ダブル発電」にならないケースもあります。
…これは、選んだ蓄電池の性能や種類によるものです。
蓄電池は「創エネ機器」と分類されるものの、本来はエネルギーを産みだす機器ではありません。
電気を貯める(蓄電)する機器ですが、「ダブル発電」と見なされるのは、日中の太陽光発電システムが創電している時間に、蓄電池が貯めた電気を「放電しているかいないか」によるものです。
【 沖縄で家庭用蓄電池導入☆ダブル発電を避ける 】
★ ダブル発電による売電価格の80%安が起きるのは、日中の蓄電池放電による(創エネ機器の併用に当たります。)、「押し上げ効果」現象が起きた場合ですよね。
→ そのため、太陽光発電システムが創電をしている日中に放電をしないもの…、①夜間のみ放電する②蓄電・放電時間を設定できる、…などの機能が備わった家庭用蓄電池を選ぶことで、ダブル発電を避けられます。
沖縄で人気の家庭用蓄電池のなかで、ダブル発電を避けることが可能な商品が多いメーカーはオムロンではないでしょうか。世界最小(2017年)のコンパクトさが売りですが、ダブル発電を阻止する機能が充実しています。
目的によってダブル発電も役立つ
まだまだ売電目的による太陽光発電システム導入が多い沖縄では、家庭用蓄電池の導入でダブル発電が起きることは、「ネガティブ」な要素にも受け取れますが、これはあくまでも「売電価格」からの見え方です。
単純に沖縄で家庭用蓄電池でダブル発電を行うと言うことは、それだけ多くの電力を一度に創電できることにも繋がります。
【 沖縄で家庭用蓄電池導入によるダブル発電☆メリット 】
① 停電時により多くの電力を賄うことが出来る。
… 太陽光発電システムのみだと、日中の太陽が出ている時間帯だけしか電力を創電できませんが、家庭用蓄電池を導入することで、日中の太陽光発電を貯めて夜に放電することが出来ます。
同じく、エネファームも太陽光発電システムとは別れた、独立した存在なので、太陽光発電システムによる創電と、エネファームの双方の恩恵を受けることが出来る点もメリットです。
② 2つの方向から常に創電出来る
… 太陽光発電システム一点では、例えば雨や曇りで充分な電力を創り出すことが出来ない時でも、エネファームではガスからエネルギーを産みだし、蓄電池では夜間の安い電力を日中に放電することが出来ます。
③ 自家発電を目指すことが出来る
… 太陽光発電システムだけでは、夜間に電気を使うことが出来なかったり、電力量自体が少ない、雨や曇りが続くなどの理由で、自家発電を目指すことは現実的に難しいケースは多いです。
→けれども、エネファームや家庭用蓄電池など、「第二の」創電エネルギーの登場により、それこそ「押し上げ効果」が産まれ、足りない電力を補填出来ます。
このような魅力から、売電目的がメインではなく、災害対策を目的とした家庭や、後々は買電をしない「自家発電」を目指す場合には、「ダブル発電」は素直に二重の保険が掛かるようなもの…、と捉える家庭も見受けられます。
いかがでしたでしょうか、今日は、太陽光発電システムに後付けをするように、沖縄で家庭用蓄電池を入れた時の、「ダブル発電」による売電価格の低下についてお伝えしました。
長年太陽光発電システムで売電をしてきた沖縄の世帯でも、家庭用蓄電池はまた別物で、「ダブル発電」についてはあまり知らないまま、蓄電池を選んでいる家庭も少なくありません。
けれども一例ではありますが、2016年度の一例を見てみると、28円/kWhで売電をしていた家が、蓄電池を導入したことでダブル発電とみなされた後、25円/kWhまで下がりました。
1kWh当たりの売電価格なので、1ヶ月にするとかなりの差が生じます。
2019年から卒FIT問題が現実的に見え始め、沖縄でも後付けで家庭用蓄電池の需要が増えましたが、ダブル発電を避ける機能が付いているかどうか…、まで考慮した選び方がおすすめです。
まとめ
「ダブル発電」とは
・創エネ機器を併用するのが「ダブル発電」
・ダブル発電は売電価格が20&安くなる
・一例では28円/kWhがダブル発電により25/kWhになった
・日中に放電しない蓄電池がダブル発電を回避する
・オムロンのKP55Sはダブル発電を阻止する蓄電池
・災害対策や自家発電目的では、ダブル発電はより良い