家庭用蓄電池はどの価格帯で選ぶ?費用目安と選び方
蓄電池の価格帯は、太陽光発電システムが普及し始めた2010年頃に比べ、グンと安くなりましたよね。
当時は蓄電池と言えば価格が高いため、企業用の機器と言うイメージが強かったのですが、今では当たり前のように家庭用蓄電池として、安い価格帯の機器が見受けられます。
それでも、洋服や食事を食べる予算とは大幅に違いますから、家庭用蓄電池であれば価格が気に掛かるのは当然です。ローンによる購入であっても、多くは蓄電池も少しでも安い価格で購入したいのではないでしょうか。
たしかに、蓄電池を安い価格で設置できれば嬉しいのですが、安価であればどんな蓄電池でもいいかと言えばそうでもありません。結局は蓄電池が安い価格であるが故に、「安物買いの銭失い」になることもあるからです。
そこで今回は、賢く蓄電池をより安い価格で設置しながらも効果的に活用できる、選び方のポイントをお伝えします。
家庭用蓄電池はどの価格帯で選ぶ?
費用目安と選び方
蓄電池の価格と設置の費用
蓄電池を家庭に導入するには、蓄電池の購入価格に加えて、設置工事の代金も必要になる点は注意をしてください。
【 蓄電池導入の価格☆工事費用にも注目! 】
① まずは蓄電池を設置できるかの事前調査を行い、蓄電池の設置工事の価格が出ます。
・基礎工事
・取付
・配線
…などなどが設置工事の代金として請求されますので、蓄電池の設置工事価格は平均的に20万円~30万円と考えてください。
さらに蓄電池本体の価格が掛かります。売電単価が今よりも2倍以上で、副収入目的としての設置が多かった2010年頃に比べると、グンと蓄電池の価格が現在は安くなってはいます。
【 蓄電池導入の価格☆トータル費用の目安 】
☆ 蓄電池本体の価格は、一般的におおむね50万円~140万円という価格設定がなされていますので、これに前述した蓄電池の設置工事価格を足して計算してください。
→ 蓄電池本体価格50万円~140万円+蓄電池工事価格20万円~30万円 → トータルとして、70~170万円前後が蓄電池価格の目安となるでしょう。
ここで注目したいのは蓄電池本体の価格です。50万円~140万円とピンキリにありますが、蓄電池の価格が安い場合、蓄電要領が少ない家置き型のハンディタイプもあります。
このような家置き型のハンディタイプの多くは、災害用などに用いられることが多く、蓄電要領が少ないために日常のエネルギーを回転させるには容量が足りないかもしれません。
ですから、蓄電池に関しては「価格が安い=お手頃」とも言えませんが、安い蓄電池の価格帯で目的を満たす場合もあります。目的によって蓄電池は「価格が高い=良い」でもないからです。
詳しくは後述していきますので、それぞれの目的に見合った、相性の良い蓄電池の価格帯を選んでください。
蓄電池は価格が高いものほど良いの?
前項で大まかにお伝えしたように、蓄電池は「価格が高い=良い」とも断定できません。なぜなら、各家庭によって電気をどのように使うのか、目的が異なるからです。
【 蓄電池導入の価格☆目的 】
☆ 具体的には、昨今で家庭用蓄電池を設置する家では、下記のような目的が見受けられます。
・ 非常用のために蓄電池を購入する(停電時などの災害目的)
・ 自家使用のために蓄電池を購入する(光熱費の節約や電力エネルギーの自給自足など)
→ このような目的と、目的に合わせた使用量の規模によって、必要な蓄電池の容量が異なる点に注意をしてください。
例えば、日常的に蓄電池を使用する目的がある場合には、容量が大きいほどよく、容量の大きさに比例して、蓄電池の価格帯も高くなります。
ですから蓄電池の適切な価格帯を把握するには、購入する前に「どのような目的で購入するか」をしっかりとイメージすることが、賢い蓄電池の選び方の第一歩です。
自家使用のための蓄電池は高価なものを買うべき?
前項では蓄電池の価格帯を見極める方法として、①自家使用か、②災害対策か、によっての選び方をお伝えしましたが、今では②「自家使用」目的の家庭の間にも、希望する電力エネルギーの「自家使用」の規模に大きな違いが出てきました。
と言うのも「自家使用」といっても、光熱費を安く抑える省エネ目的か、それとも創エネ設備による余剰電気の売電のためかにより異なるため、一概には言えないからです。
さらに最近では光熱費の節約を超えた、電力エネルギーの自給自足を目指す家も出ています。
【 蓄電池導入の価格①省エネ目的 】
① 省エネ目的で蓄電池を購入する価格
→ 割安な夜間電気を蓄電池にためて、割高な昼間電気の使用をできるだけ抑えるという使い方です。そのため、細かなシュミレーションが必要となります。
省エネ目的で購入する場合、蓄電池の価格と光熱費節約とのバランスがポイントです。ですから、この細かなシュミレーションは販売施工店などとしっかり話し合う必要があります。
【 蓄電池導入の価格②③売電や自給自足 】
② 売電など投資目的/自給自足目的での蓄電池の価格帯
→ 初期投資はコストがかかっても、容量の大きい蓄電池を購入するケースが多いです。
①省エネ目的では、販売施工店としっかりとシュミレーションしながら節約できる蓄電池の価格帯を選び、最大限の省エネ効果の計る必要がありますが、投資目的ないし光熱費0円を目指すのであれば、容量の大きい蓄電池を価格が高くとも選ぶ方が効果的です。
家庭用蓄電池の価格帯の目安
しかしそれでもどの蓄電池が家庭用の価格帯として適切なのかが曖昧になり、ピンキリにある商品のなかから、思い切って選ぶことができないとの声は多いです。
そこで簡単なシュミレーションをしてみます。
【 蓄電池導入の価格☆シュミレーション 】
☆ 例えば家族4人暮らしの家庭で、しかも太陽光発電があるとします。
→ この場合、7kWの蓄電池があれば価格が安くとも、太陽光発電で昼間充電し、夜間に蓄電池を放電できますので、自家使用については十分です。
※ むしろ売電目的としても7kWもあれば、蓄電池の価格が安くとも使用できます。
そこで純粋に省エネ目的であれば4kWくらいで充分なので、価格としては130万円くらいが相場です。
他方で太陽光発電システムは設置せず、停電のときのみ使用したい場合はポータブル型の蓄電池があり、価格も50万円ほどで購入できます。
ただしパワコン機能のついたハイブリッド型や、夜間電気を貯めて省エネ目的のためのグリーンモードのついた蓄電池はその分割高にはなるので注意をしてください。
【 蓄電池導入の価格☆一般的な相場 】
☆ ですから一概に蓄電池の相場は何円ということはできませんが、省エネ目的なら130万円くらいを目安です。
一方、現在では少なくなっていますが、投資目的なら容量が大きいほど良いため、結果として蓄電池の価格相場は、設置工事費用も含め200万円以上かかることもあります。
いかがでしたでしょうか、今回は家庭用蓄電池の価格の目安について、蓄電池の使用目的との関連でお伝えしました。
蓄電池を適切な価格で購入するためには、①使用目的をしっかり決めること、②その省エネ目的なら、普段電気をどれくらい使うかを販売施工店としっかり話し合って、シュミレーションすることが必要です。
蓄電池の価格帯は、その容量とオプション、そして使用目的をしっかりと考えることで分かってきます。
まとめ
蓄電池の使用目的さえしっかりすれば賢く蓄電池を購入できる
・家庭用蓄電池は安価なものがいいわけではない
・家庭用に蓄電池を購入するには使用目的をしっかりイメージすること
・高価で容量が大きい蓄電池は売電など投資目的のもの
・太陽光発電があれば4kW、130万円くらいの蓄電池で十分
・最も安価な蓄電池はあくまで非常用のものに過ぎない