沖縄で太陽光発電が増加中?今急増する5つの理由
最近になって沖縄では太陽光発電システムの導入が急増しています。家庭用蓄電池の導入となると、さらに増えている印象がありますよね。
ただ、ひと昔前の沖縄の「第一次太陽光発電システム導入ブーム」では、高い売電価格も保証され、安定した収入が期待できましたが、今では売電価格は年々下降しています。
そんななか、沖縄では「敢えて」太陽光発電システムを導入する家庭が増えるのは何故か…、ここには時代の流れとさまざまな背景がありました。
そこで今回は、今沖縄で太陽光発電システムの導入を検討している家庭へ向け、他の家庭で導入に至った理由を5つ、実際の声をまとめてお伝えします。
沖縄で太陽光発電が増加中?
今急増する5つの理由
売電収入を目的に導入する時代は終わった?
実は沖縄で今、太陽光発電システムの導入が急増している現象に、疑問を抱く方々も少なくありません。
確かに、10年ひと昔前であれば、多少無理をしても沖縄電力も含め太陽光発電システムの売電価格は42円~48円/kWh、しかも国が発表した「フィット」の導入によって、固定価格で安定した収入を得ることができました。
けれども現在では、「2019年問題」と言われる、当時沖縄で太陽光発電システムを導入した家庭での、フィット終了後の売電価格の急激な下落問題が起きている真っただ中!
フィット終了後は沖縄電力でも売電価格は半値以下まで下がってしまうため、以前の導入家庭では「変化への対応」が求められています。
(※詳しくは別記事「沖縄で「卒FIT」の2019年☆その後に選ぶ3つの道」や「沖縄でFIT終了後は?家庭用蓄電池を選ぶ5つの理由」をご参照ください。)
そんななか、「敢えて」沖縄で太陽光発電システムを導入するのには、この10年での人々の意識の「大きな変化」が見受けられます。
【 沖縄で今、太陽光発電導入の理由①災害対策 】
★ 今導入する家庭では、多くが売電収入を目的とはせず、「節約」と「自家発電」そして「災害対策」の目的を上げるケースが多いです。
→ 特に全国的に2011年の東日本大震災をきっかけにして、太陽光発電の導入が増えました。
3月11日に発生した東日本大震災では、大津波が起きた地域を超えて、当初停電戸数は300万戸出ています。約一か月後の4月10日では32万戸まで減少しましたが、最終的に全ての地域で復旧したのは、約三か月後の6月2日です。
(※津波で復旧不可能になった家屋(約15万戸)を除きます。)
初期費用の価格が下がった
今、このように売電収入目的ではなく、「節電」「自家発電」「災害対策」を目的とした、沖縄の太陽光発電システム導入が急増している理由には、昔よりも格段に初期費用が下がったことも背景にあります。
太陽光発電が出回り始めてから、この10年~20年の間に、システムの性能や技術の向上はめまぐるしいものがありました。その流れに比例して、初期投資のリスクも0に近くなっています。
【 沖縄で今、太陽光発電導入の理由②リスクの減少 】
★ (太陽光発電は大きさなどさまざまですので)一例として当初300万円掛かったシステムの導入が、現在では144万円まで下がる試算がありました。
→ また自治体のなかには、わずかながら補助金を出すケース(※1)も増えています。
そのため、ソーラーローン(太陽光発電に利用できる利率の低いローン)を組んだ時のシュミレーションをした場合、今までの電気料金やガス料金(※2)で、ローンの返済を賄うことが出来る家庭が多いです。
(※1)沖縄県で太陽光発電システムの導入に補助金を出している例では、2018年度で(予約や先着が必要な自治体もありますが)沖縄県で「50,000円(一件につき)」や、那覇市の「設置費用の1/10」などがみられます。
(※2)後述しますが、沖縄で今、太陽光発電システムを導入する家庭では、同時にオール電化も設置するケースが多いです。そのためにガスは撤去され、ガス料金がなくなります。
オール電化+電気プラン
沖縄では太陽光発電システム導入と共に、オール電化へと変更する家庭が多いことは前項でお伝えしました。
これは太陽が出ている日中の自家発電により、ガスにより賄ってきた洗濯機やコンロなどの費用も抑えることも目的にありますが、沖縄電力のオール電化導入家庭へ向けた電気プランとの相性が良いこともひとつです。
【 沖縄で太陽光発電導入の理由③時間帯別電灯 】
★ 例えば沖縄電力の「時間帯別電灯」プランは、夜23時~翌朝7時までの電気料金を格安にできるプランです。
→ その時々によって異なりますが、2019年10月の一例では、90kWhまでは26.59円の電力が、23時以降では12.05円まで節約できました。
オール電化には「エコキュート」など、電気料金の安い夜間に沸かした湯を一定量貯めておき、その湯を日中へ回すことができる機器もあるために、太陽光発電システムと併用して、各段に電気料金を節約できます。
さらにガスは撤去するのでガス代は掛からず、沖縄で太陽光発電システムは売電もできるので、一石二鳥、三鳥となる訳です。
また、前述した2011年の東日本大震災などの数々の災害を経て、オール電化へ転換する家庭も見受けられます。
その理由は、災害時にライフラインが次々と遮断されましたが、ガスの本格的な復旧が遅い点が浮き彫りになったためです。
2011年東日本大震災でライフラインが途絶えた一部の地域を例に取ると、電気が1週間で復旧したのに対して、ガスの復旧は1ヶ月以上後でした。
これは電気が地面の上を通っているのに対して、ガスが地面の下を通っているためで、なかには3ヶ月以上経って、ようやく復旧したエリアも多かったためです。
自家発電を目指す家庭の急増
このような事情も受けて、最初から「自家発電」を目指す家庭も増えつつあります。これは太陽光発電システムを始めとする、再生可能エネルギーの先進国、ドイツが分かりやすいです。
ドイツは日本より以前に太陽光発電システムが出回り、今正に日本で迎えている、固定売電価格保証が途切れる「フィット」問題(2019年問題)も乗り越えてきました。
結果、今のドイツでは多くの家庭で「自家発電」型へと変化しています。
【 沖縄で太陽光発電導入の理由④自家発電を目指す 】
★ 太陽光発電システムによって、完全なる自家発電生活が可能になれば、地球環境の側面からも貢献できるのはもちろん、何より電気代が掛からず、停電対策にもなります。
・ さらに近年では世界的な電気自動車(EV車)時代の到来です!日本では遅れを取っていますし割高ですが、徐々に電気自動車へ切り替わることが予想され、あらゆる活動を電気で賄うことが出来るようになります。
…ただ、電気は何も施さない場合には、一定の場所に留まらず、常に動き回らなければならない性質があるために、いくら日中に太陽光発電をしても、夜間や他の日にその電力を回すことはできません。
ここで登場するのが、「家庭用蓄電池」です。
家庭用蓄電池との連携
家庭用蓄電池は太陽光発電システムで発電した電気の「形を変えて」充電し、他の時間へと回してくれる機能を持っています。
電気は水のように「動き続ける」性質があるので、言わば水を冷凍庫で氷にしておいて、必要に応じて氷を溶かし、使用しているイメージです。
「自家発電」目的の、沖縄での太陽光発電システム導入が増えた現代、この家庭用蓄電池をセットに購入する家庭が多くなった点は、特筆すべき特徴です。
【 沖縄で太陽光発電導入の理由☆家庭用蓄電池との連携 】
★ 昔は鉛蓄電池で場所も取り、重量も重い印象が強かったのですが、今ではスマホやPCなどにも用いられるリチウムイオン電池型蓄電池式の家庭用蓄電池が登場し、設置場所も前ほどは取らず、重量も軽量になりました。
→ さらに沖縄電力で見ると、太陽光発電システム&オール電化導入で契約する家庭の多い、夜間電力が夜中に格安になる料金プランでは、家庭用蓄電池のさらなる導入により、割引プランが設けられているものもあります。
家庭用蓄電池にはさまざまな種類やメーカーがありますが、安くなったとは言え100万円以上はする買い物です。そのために、太陽光発電システムの導入と一緒に家庭用蓄電池も取り入れる家庭が多いです。
いかがでしたでしょうか、今日は、今沖縄で太陽光発電システムの導入が急増している背景をお伝えしました。
最後に少し触れましたが、沖縄では太陽光発電システムと共に家庭用蓄電池の設置も急増しています。
…これは単純に沖縄で①太陽光発電システムと共に設置する家庭が増えたため…、でもあります。
ただ、この他に②固定価格買取制度「フィット」終了により、かつて太陽光発電を取り入れた家庭で自家発電へと移行している家庭が多いことも原因のひとつではないでしょうか。
売電収入が激減した後、「どのように」少しでも利益を得ようか…、と考えた後、電気代の節約とさらなる自家発電へと舵を切った結果です。
「せめて中古で購入しないと割高で取り入れられない…」との声も聞こえますが、電気自動車に貯蓄電量を貯めておくのもひとつの方法です。
このような事情から沖縄では「太陽光発電システム+家庭用蓄電池+オール電化」の暮らしの変化の波が、各家庭に訪れています。そしてこれから先々に至っては「プラス電気自動車(EV車)」となるのかもしれません。
まとめ
今、敢えて太陽光発電を導入する理由とは
・売電目的ではなく、節電と災害対策
・費用が安くなり電気料金でローンを賄うことができる
・同時にオール電化にして、格安料金プランに切り替える
・数々の災害を受け、「自家発電」を目指す家庭が増えた
・自家発電に不可欠な家庭用蓄電池も格安になった
・電気自動車も自家発電システムに連携する
・太陽光発電+蓄電池+オール電化(後々は電気自動車)