新電力と沖縄電力の違いって?節約できる仕組みとは
新電力への移行が沖縄でも目立つようになりましたよね。それでもまだまだ「知る人ぞ知る」状況で、そもそも「新電力って?」「沖縄電力から、わざわざ移行する魅力は?」と疑問に思う声も少なくありません。
「新電力」は2016年に一般家庭まで解禁された、「電力自由化」によって参入してきた新しい電力の小売業者を指していて、なかにはSoftBankやKDDI、東京ガスなど…、大手企業が異業種から参入しました。
電力自由化により「新電力」と呼ばれる、電力の小売業者は2019年10月時点ですでに630社!これにより電気料金の価格競争が起きています。
これから放っておくと電気料金はどんどん上がると言われる時代…、バブル景気でもないですし、電力会社を賢く選んで少しでも家計を節約したいですよね。
そこで今日は、今注目される新電力について、特に沖縄電力をはじめとする、大手電力会社との違いを中心にお伝えします。どうぞ、検討の参考にしてください。
新電力と沖縄電力の違いって?
節約できる仕組みとは
新電力が沖縄で広がるメリット
2000年から始まった電力自由化は、2004年・2005年と段階を踏んで(※1)2016年にはいよいよ、一般家庭の電力まで解禁されました。これにより、「新電力」勢力が産まれ、沖縄電力(大手電力会社)も変化が求められます。
新電力と沖縄電力(大手電力会社)が小売部門において対等な立場になるために、大手電力会社は①発電部門②送配電部門③小売部門への分社化へ進まなければなりません。
それぞれの部門は独立採算ですから、例え大手電力会社でも、送配電部門や発電部門は新電力と平等です。
そのため、大手電力会社も新しい勢力である新電力と同じ土俵で戦わなければなりません。電気の質やインフラにおいて、新電力と沖縄電力で差は生じない、…と言うことになります。
【 新電力と沖縄電力の違い☆電力自由化のメリット 】
① 電気料金を節約できる。
… 新電力へ沖縄電力から移行したからと言って、必ずしも電気料金が安くなるとは限りません。
→ けれども電力自由化によって電気料金の価格競争が始まった今、買電側としては、電気料金の比較検討ができます。
② 「電気」を選ぶことができる。
… 新電力には、太陽光発電などの再生可能エネルギーを供給する会社や、そのエリアで発電された電力を供給する会社などの特色ある会社が多いため、「電気」自体を選ぶことも可能です。
③ スマートメーターにより「電気の使い方」を再確認できる。
… 新電力の大頭に伴い、一般家庭に普及が進んでいるのが「スマートメーター」です。2024年へ向け各家庭への普及が進んできました。
→ 新電力へ移行時にはスマートメーターが設置されますが、今までのアナログ式検針票と違い、30分単位で電力消費量を計ることができます。
…さまざまなメリットがありながら、前述したように電力会社によって地震などの災害時の停電や、電気の質には差がない点は安心です。
(※1)一般家庭へは2016年から電力自由化が始まりましたが、2000年から工場や大型商業施設などでは段階的に電力自由化が進んできました。
電力自由化への不安やデメリット
前項でお伝えしたように、「電気」は暮らしにおいて重要なインフラですから、②送配電部門は日本の電力インフラの中核を担う事業ですから、ここは変わらず、政府の任命を受けた大手企業が責任を持って担う点も、安心材料です。
そのために、私たち一般家庭は「電気の質や停電の有無も、契約会社によって差が出ることなく」、電気料金の価格とサービス面だけを注意して、契約先を選ぶことができます。
【 新電力と沖縄電力の違い☆デメリット 】
① 選択肢が多くて、プランが複雑!
… 電気料金の価格競争が起きたことにより、多くの新電力も沖縄電力も、それぞれに共働き家族や独身世帯、シニア世帯向けなど、各家庭の暮らしにピッタリの料金プランを提示するようになりました。
→ 消費者側が吟味して選ぶことができる魅力がある反面、「プランが多すぎて複雑!」との声も聞こえます。
② 違約金発生の可能性
… 今までは大手電力会社が担ってきたため、引っ越しをしても「解約・契約」の流れはなかったのですが、今後は「電力会社と解約」の可能性も増えます。
→ 携帯電話の契約形態を思い出すと分かりやすいのですが、特に新電力から新電力への移行の際、新電力のなかには契約期限を設けているケースもあるため、確認が必要です。
③ 電気料金の比較検討には、シュミレーションも必要
… もちろん、新電力だけではなく沖縄電力をはじめとする大手電力会社も、それぞれに価格競争に対応するよう、さまざまな料金プランを提示しています。
→ そのため、「新電力に切り替え=電気料金節約」とはいきません。切り替え前にはさまざまな新電力・沖縄電力の料金プランを比較検討してください。
…ただ多くの人々が不安視する、「母体が違う新電力だけに、倒産したら電気の供給も止まるのでは?」の疑問については、大切なインフラである電力だけに、答えはNOです。
契約している新電力が倒産しても、政府が認定している「送配電部門」が責任を持って、次の電力会社との契約まで電気を供給してくれますので、そこは安心してください。
新電力の電気料金が安くなる理由
新電力の最大の魅力は、小回りが利くことです。そのため、それぞれのターゲット層を絞った料金プランを設けて、そのターゲット層には格安の料金で電力を供給できます。
【 新電力と沖縄電力の違い☆電気料金が安くできる理由① 】
① ターゲット層を絞ったプランを提示できる。
… 自分達が得意とするターゲット層に絞り、電気料金を大幅に節約できる料金プランを提示する新電力は多いです。
② 新電力は、電力以外の主な事業がある。
… 電力自由化で新規参入したSoftBankは、電力以外に携帯電話事業が有名であるように、新電力の多くは主な別の事業を担っています。そのために電力事業のみで運営をする必要がありません。
例えば、主な事業が太陽光発電や蓄電池の製造や販売だった新電力では、①のターゲット層を太陽光発電を導入した家庭にして、大手電力会社(沖縄電力)よりも格安になる料金プランを提示することができます。
太陽光発電の販売が主な事業ですから、電力事業であまり利益がなくても、太陽光発電事業で補填することができるので、そんなに利益を追求する必要もありません。
自分達が太陽光発電を販売した家庭へ向けて、新電力を契約することで、お客様も自分達もWINWIN、一石二鳥の運営ができるのも、双方にとってメリットです。
【 新電力と沖縄電力の違い☆電気料金が安くなる理由② 】
③ 「使うほど単価が高くなる」既存の仕組みがあるため、値下げをしても利益になる。
… かつてのオイルショックを経て、現在の日本の大手電力会社での電気料金システムは、「電気使用量が高くなる=電気料金の単価も上がる」システムができてしまっています。
(2013年の震災後に電気料金が値上がりしましたが、この時でも、基本的に電気使用量と電気料金の単価は比例したシステムのままでした。)
→ このシステムがあるために、新電力は電気使用量が多い家庭に格安のプランを導入しても、そもそも今までの電気料金の単価が高いために、利益が出ます。
…ただしこの新電力の流れを、沖縄電力をはじめとする既存の大手電力会社が把握していない訳がありません。
大手電力会社であっても、今後は電力の価格競争に参加しなければなりませんから、今後は新たな料金プランを発表したり、見直しがどんどん起きてくるかもしれません。
【 新電力と沖縄電力の違い☆コストが少ない 】
★ 全国民を対象にしているのが大手電力会社ですが、新電力はターゲット層を絞った事業展開ができます。
→ そのため小回りが利き、設備投資をはじめとしたコストを抑えることも可能です。コストが掛からない分、電気料金も安く設定できます。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄で一般家庭でも移行が始まっている、「新電力」について、沖縄電力(既存の大手電力会社)との違いや、電気料金を節約できる理由や仕組みについてお伝えしました。
そもそも「新電力はなに?」と疑問が残る方は、別記事「新電力ってなに?沖縄で注目、新しい時代到来♪」を読んでみると、より分かりやすいかもしれません。
今、新電力は沖縄では、本文中でもお伝えしたように、太陽光発電を導入して買電が大幅に減少した家庭や、夫婦共働き家庭などなど、一定のターゲットに絞った料金プランを提示する会社が多いです。
そのターゲット層に当たる家庭であれば、新電力へ沖縄電力から移行するのも、良い方法かもしれません。
新電力へ沖縄電力から切り替える方法については、「沖縄で新電力へ加入☆簡単に済む3つのステップ」でお伝えしていますので、こちらを参考にしながら移行を進めてください。
まとめ
新電力が電気料金を安くできる理由とは
・電気料金が安くても電力供給に影響はない
・電気料金が安くても電気の質に違いはない
・新電力は電力事業による利益だけを追求していない
・新電力はターゲットを絞った料金プランが提示できる
・新電力は設備投資などのコストが大幅に少ない
・既存の電気料金システムが使用量が多いほど高くなるため