【2023年太陽光発電】蓄電池とは?「太陽光発電+蓄電池」のメリットデメリットとは
2023年の太陽光発電は蓄電池とセット導入にメリットとする家庭が増えました。
電気代が上昇する2023年、太陽光発電と併用して蓄電池を活用することで、電力を自家消費できる可能性もあるでしょう。
・2023年に「太陽光発電+蓄電池」導入のメリットは?
・2023年「太陽光発電+蓄電池」導入で期待できる補助金は?
・蓄電池を合わせるデメリットはある?
今回は、2023年に「太陽光発電+蓄電池」を導入する家庭、すでに太陽光発電のある家庭が蓄電池をプラスする、双方のメリット・デメリットを解説します。
電気料金が安くなる可能性
●2023年に「太陽光発電+蓄電池」の導入家庭は、メリットとして電気料金の節約をあげています
確かに2023年は安くなっても「太陽光発電+蓄電池」で電気代節約のメリットを享受しようとすれば、初期投資とのバランスが必要です。
毎月のローンと比較検討する必要はありますが、検討できないひとつの要素として、電気代の上昇があります。
この他2023年に「太陽光発電+蓄電池」の導入家庭では、メリットとして下記3つの事柄を上げていました。
[1]卒FIT対策・FIP制度に対応
[2]DER補助金の可能性
[3]災害時に対応
FIP制度に関しては詳しくは次項で解説しますが、20年間適用の制度なので、今まで太陽光発電のみを導入していた家庭で、卒FITへの対応も含めて検討されています。
また卒FITでの売電収入の変化や、その対策も蓄電池で対応する家庭が多いです。
[1]FIP制度に対応
※資源エネルギー庁2022年6月24日「FIP制度について」より
●FIP制度とは変動する市場で売電する際、「プレミアム」と呼ばれる補助金を売電収入に上乗せする制度です
家庭で太陽光発電システムを導入すると、大手電力会社が承認時の買取単価を向こう10年~20年保証する「FIT制度」が適用されていました。
このFIT制度は電力を購入する全ての世帯で請求される「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」により支えられています。
けれどもFIT事業者が増え、再エネ賦課金の負担も増大したことから、2022年度からFIT制度からFIP制度へと移行が始まりました。
●FIP制度とFIT制度の違い
①FIP制度
・売電単価が変動(市場連動型)
・プレミアムが付加される
②FIT制度
・売電単価が固定
・固定売電単価が10年~20年保証される
プレミアムはあらかじめ設定された「FIP価格」から電力の取引市場で期待できる収入を差し引いた金額で、1ヶ月毎に決定されます。
☆プレミアム単価=基準価格(FIP価格)-参照価格
そのため出力制御が行われる時間帯は当然プレミアム価格は不可されず、需要の高い時間帯ほど売電収入も増える仕組みです。
・【2023年太陽光発電】FIP制度とは?FIT制度との違い、蓄電池が良い3つの理由
蓄電池の活用で売電単価を高く
●時間によって売電単価が変動するFIP制度では、蓄電池で売電時間を調整できます
ですから2023年からは「太陽光発電システム+蓄電池」のメリットは、蓄電池による売電収入の調整があるでしょう。
今までのFIT制度の元では、全時間の売電で固定買取単価が保証されていました。けれども反対に言えば、いつ売電をしても売電単価が上がることはありません。
一方、2023年以降はFIP制度で「太陽光発電+蓄電池」により、「需要の高い時間帯=売電単価が高い時間帯」めがけて売電も可能です。
①太陽光発電で発電
②蓄電池で電力を貯める
③売電単価の高い時間帯に売電
本来は電気の性質上、蓄電池なしには発電した電力を貯めることはできません。
そこで太陽光発電を設置する一般家庭では、余剰電力をダイレクトに電力会社へ供給していたのですが、需要が高い夜間や曇りの日などは対応できず、2023年以降は「太陽光発電+蓄電池」のメリットが高いと言われています。
「卒FIT」にも対応
●単純に「卒FIT」家庭でも、昼間の余剰電力を夜間に回す「自家消費」が可能です
また2023年に太陽光発電を導入していた家庭が蓄電池を設置し自家消費のメリットを享受する事例が増えました。
「卒FIT」とは、太陽光発電を導入した家庭が10年後にFIT制度が終了し、売電単価(買取単価)の保証がなくなることです。契約時の10年前よりも大幅に売電単価が下がるため、売電収入も激減します。
●太陽光発電の売電価格、卒FIT前後の変化一例
①2013年度
・10Kw未満…38円/kw
・10kw、W発電…31円/kw
・10kw以上…36円/kw
②2023年度
・10kw未満…16円/kwh
・10kw以上…10円/kwh
・50kw以上…9.5円/kwh
2023年に太陽光発電の卒FITを迎えた家庭では、一般的に2013年に太陽光発電システムを導入し、FIT事業者として承認を受けたことでしょう。
この場合2013年度の買取単価である38円/kw(10kw未満)で契約をしています。
卒FITを迎えることでその単価は16円/kw(10kw未満)、約1/2.4まで下がってしまう計算です。
☆そこで卒FIT家庭が2023年に太陽光発電+蓄電池を備えるメリットとして、余剰電力を発電しない夜間の時間帯に回し、自家発電を試みる方法が進められています
[2]DER補助金の可能性
●「DER補助金」とはSii(環境共創イニシアチブ)による補助金です
2023年度はまだ発表されていませんが(2023年3月7日現在)、2022年度は6月1日~12月23日12時まで公募されました。
ただし2022年同様DER補助金は、2023年度も太陽子発電+蓄電池を設置するメリットを享受する家庭であることが要件になるでしょう。
①DER補助金の要件
・太陽光発電
・蓄電池
・HEMS
HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」で、家電や電気設備など家全体の電気製品・設備を連動し、電力を節約するシステムです。
家庭内の電力消費状況が見える化、自動制御もでき、DER補助金ではHEMSの導入も要件のひとつです。
②2022年度の補助金
[蓄電池]
・初期実行容量×3.7万円/kwh
・設備費+工事費用×1/3以内の補助金
[HEMS]
・5万円(一律)
「初期実行容量」とは、工場出荷時に測定する、初期に蓄電池が放電によって供給できる交流側の出力量です。※A3製造業者(メーカー)による指定あり
※この他、DER補助金では家庭用V2H放電システムやエネファームへの補助金も、2022年には行われましたが、ここでは割愛します
[3]災害時に対応
●「電力の自家消費ができる」と言うことは、災害時に停電に見舞われても電気が使用できる、と言うことです
太陽光発電の発電力と蓄電池の蓄電量によって、電気が使える時間は異なりますが、停電時にも一定時間は電力を使用できるでしょう。
太陽光発電では太陽が出ていない曇りや夜間は、それだけ電力も使用できません。
けれども蓄電池を+することで、停電した夜間にも調整できます。
●災害時の蓄電池システム
①全負荷型
…災害時も変わらず、家全体へ電力を供給する
②特定負荷型
…事前に設定した部屋や家電にのみ、電力を供給する
沖縄では2018年9月に台風24号が襲来し、中部・九州・沖縄地方で約180万戸の家が停電しましたが、この時、停電期間が長い地域で7日間掛かりました。
現在ではウォシュレットなどの普及により、トイレも電力を必要とする時代です。
沖縄で多い台風による停電時に向け、2023年は「太陽光発電+蓄電池」をメリットのひとつとする家庭が増えています。
「太陽光発電+蓄電池」のデメリット
●蓄電池の初期費用(約80万円~200万円)や、蓄電池の設置スペースなどです
2023年に「太陽光発電+蓄電池」を導入するデメリットは、蓄電池の初期費用や設置スペースを必要とする点でしょう。
[1]初期費用が掛かる
[2]設置スペースの確保
[3]寿命がある
蓄電池は約80万円~200万円と下がってきましたし、コンパクトな蓄電池も増えましたが、その分蓄電できる電力量も少なくなることは、考慮してください。
[1]初期費用が掛かる
●太陽光発電+蓄電池をセットで導入するため、蓄電池の初期費用が掛かります
蓄電池は約80万円~200万円ほど、数十万円のコンパクトな室内用蓄電池などもありますが、コンパクトな蓄電池はそれだけ蓄電容量も少ないです。
・災害時に備える蓄電池…容量約2kWほど~
・一般的な蓄電池…容量約9kWほど~
蓄電池は約2kWhほどの容量から、大きなタイプで約16.6kWhほどまで販売されていますが、月々使用する電気代によって容量を判断しても良いでしょう。
・電気代月々5,000円未満…約5kWhほど~
・電気代月々10,000円未満…約5kWh~約10kWhほど
・電気代月々10,000円以上…約10kWh以上
2023年の電気代上昇に対応し「太陽光発電+蓄電池」のメリットを活用するならば、ただ安いからとコンパクトな蓄電池を選ぶよりも、使用電力量に対応した蓄電池を選ぶことをおすすめします。
[2]設置スペースの確保
●蓄電池は一般的に、大型の空気清浄機ほどのサイズ、屋外用が多いです
コンパクトな災害用蓄電池は室内で設置できる商品が多いですが、前述した一般家庭で日常的に利用する蓄電池(蓄電容量約5kWh~)であれば、屋外設置が一般的でしょう。
①サイズの目安
[幅]約80cm
[奥行]約40cm
[高さ]約100cm
②適切な場所
・高温になりすぎない
・低温になりすぎない
・結露しない
沖縄では結露の心配はほぼないですが、熱くなり過ぎず寒くなり過ぎない、自宅脇の日陰で、通風環境の良い場所が好ましいです。メーカーや商品によっても違うため、業者と確認して設置場所を決めます。
[3]寿命がある
●太陽光発電や蓄電池には寿命があります
太陽光発電はソーラーパネルの寿命、蓄電池はスマホの充電器と同じイメージです。
ソーラーパネルは寿命が近づくと発電量が減少しますし、蓄電池が寿命に近づくと、だんだんと蓄電容量が低下します。
①太陽光発電の寿命目安…約20年~30年
②蓄電池の寿命目安…約10年~15年
太陽光発電は耐用年数17年とされますが、一般的に約20年ほどで寿命を迎えます。
質の良いソーラーパネルでは約30年ともつものもあるでしょう。
蓄電池も保証期間や充放電サイクル回数などを比較検討し、コストパフォーマンスから比較検討します。
最後に:
以上が2023年に太陽光発電+蓄電池を導入するメリットとデメリットです。
これから新居を建てるタイミングで、2023年に太陽光発電と蓄電池を導入するなら、メリットとしてZEH住宅(ゼッチ住宅)の補助金も期待できるかもしれません。
☆ZEH住宅(ゼッチ住宅)とは、太陽光発電の電力創出・省エネルギーのバランスにより、エネルギー収支をゼロにする住宅です
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・沖縄で補助金が期待できる☆ZEH(ゼッチ)住宅とは?
まとめ
2023年「太陽光発電+蓄電池」のメリットデメリット
●電気代の節約は前提!●メリット
・卒FIT・FIP制度に対応
・DER補助金の可能性
・災害時に対応●デメリット
・初期費用が掛かる
・設置スペースの確保
・寿命がある