2023年電気代の値上げはいつから、どれくらい?節約や今後の対策も解説
・2023年電気代はどれくらい値上げする?
・2023年電気代の値上げは、いつから?
・電気代の節約や今後の対策は?
世界的な原料価格の上昇やウクライナ情勢、円高などの影響を受けて、今日本では電気代の値上げが深刻化しています。
2023年の全国的な電気代の値上げでは、いよいよ沖縄電力も電気代の大幅な値上げ率での引き上げが行われました。
本記事を読むことで2023年の電気代の値上げ率、個人でできる電気代の値上げ対策や節約方法を解説します。
2023年6月の電気代値上げとは?
◇2023年6月1日より、大手電力会社各社で電気代の大幅値上げを実施します
経済産業省によると、2023年5月16日の関係閣僚会議が行われました。
ここで、経済産業省は大手電力会社各社が事前に提出していた、電気代の値上げ認可申請への補正案を許可、各社で電気代の値上げができるようになったためです。
<2023年、電気代の値上げを巡る流れ> | |||
[補正日付] | [電力会社] | [補正前] | [補正後] |
・2023年3月30日 | 東電EP | 29.3% | 17.6% |
・2023年4月4日 | 北海道電力 | 32.17% | 25.2% |
・2023年4月4日 | 東北電力 | 32.94% | 25.2% |
・2023年4月4日 | 北陸電力 | 45.84% | 46.9% |
・2023年4月4日 | 中国電力 | 31.33% | 30.6% |
・2023年4月4日 | 四国電力 | 28.08% | 27.9% |
・2023年4月4日 | 沖縄電力 | 43.81% | 40.9% |
大手電力会社各社では、電気代の値上げ率に対して、以上の補正案が提出されました。
2023年5月16日の関係閣僚会議では、電気代の値上げ率に対して査定が認められ、5月19日に認可が下りています。
・経済産業省「ニュースリリース」
2023年電気代の値上げ対象とは?
◇2023年に実施される電気代の値上げ対象は、「規制料金」部門です
「規制料金」とは、2016年4月1日より施行された電気の小売業参入の全面自由化より以前から、大手電力会社各社で提供していた電気料金プランとなります。
・規制料金…電力の値上げに対して国の認可が必要
・自由料金…電力会社が独自で料金を設定できる
2016年以前は大手電力会社しか電気を提供できなかったため、昔から実施されている規制料金は、利用者保護の観点があり、電気代の値上げ幅にも上限が定められている点が特徴です。
対して自由料金は上限がないため、現在は規制料金・自由料金共に電気代の値上げが続いていますが、今後も見極めが重要になるでしょう。
2023年6月の、電気代の値上げ率は?
◇2023年6月から、沖縄電力は電気代を36.6%の値上げ率で実施します
このような流れから、5月19日に経済産業庁の認可を得て、沖縄電力をはじめ大手電力会社6社を含む各社は、2023年6月1日より、電気代の値上げに踏み切りました。
ここでは、電力会社それぞれで認可された補正案と、規制料金における電気代の平均値上げ率をご紹介します。
<2023年6月1日、電気代値上げ率> | |||
[電力会社] | [部門] | [値上げ率] | [補正案] |
・北海道電力 | 規制料金 自由料金 |
20.1% 未定 |
北海道電力補正案 |
・東北電力 | 規制料金 | 21.9% | 東北電力補正案 |
・北陸電力 | 規制料金 | 39.7% | 北陸電力補正案 |
・東京電力 | 規制料金 自由料金 |
15.3% 5.28% |
東京電力補正案 |
・中国電力 | 規制料金 | 26.1% | 中国電力補正案 |
・四国電力 | 規制料金 | 23.0% | 四国電力補正案 |
・沖縄電力 | 規制料金 自由料金 |
36.6% 37.91% |
沖縄電力補正案 |
以上の2023年6月1日から実施される電気料金の値上げ率から分かるように、一部の大手電力会社は旧来からの帰省料金部門だけではなく、2023年は自由化部門の電気代も実施されます。
それでは2016年から登場した電気の小売業者「新電力」による、2023年の電気代値上げはどのような状況でしょうか。
ソフトバンクやauでんき、ドコモでんきなどが有名ですが、2022年から軒並み値上げを続けています。
2023年、新電力会社の電気代の値上げは?
◇電気の小売業「新電力」も、2023年は軒並み電気代の値上げが顕著です
2016年に新電力が登場した当初は、大手電力会社と比較して電気料金が割安として注目され、新規顧客を延ばし勢力を上げてきました。
大手電力会社が実施した2023年の電気代の大幅値上げを以てしても、新電力の電気代の値上げ幅は、実感として高いです。
<新電力による2023年の電気代値上げ率> | ||||
[電力会社] | [部門] | [時期] | [値上げ率] | [参照] |
・auでんき | 従量料金 | 6月 | 30%~50% | auでんき |
・楽天でんき | 従量料金 | 4月 | 30%~50% | 楽天でんき |
・ソフトバンクでんき |
従量料金 電力市場連動額 |
4月 | ソフトバンクでんき | |
基本料金 電力量料金 燃料費調整額 |
6月 | 0.3%~17.4% | ソフトバンクでんき |
ソフトバンク電気は2023年の電気代の値上げ率は低い印象ですが、もともと他の新電力と比較して割高傾向にありました。
東京エリア(東京電力エナジーパートナー)と比較すると、標準的な世帯において、約10%前後割高になると算出されます。
ただし値上げ項目が多岐に渡るため、それぞれの家庭で具体的な数字を試算し、検討すると良いでしょう。
2023年、電気代の値上げ対策とは
◇電気代の節約と、スマートハウス化です
2022年11月、経済産業庁はロシアのウクライナ侵略を受け、将来的な需要ひっ迫への対策として、「2022年度冬季の省エネ・節電へのご協力のお願い」の文書を出しました。
・日々の電気代を節約する
・スマートハウス化
「スマートハウス」とは「賢い家」を表し、IT技術を活用して家庭内の電化製品や電力、ガスの消費をマネージメントするシステムです。
ただし「太陽光発電+蓄電池」や、エネファームなどを使用して自給自足を目指すため、初期費用が掛かります。
・スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会、普及促進タスクフォース
日々の電気代を節約する
◇エアコンの定期的な掃除や、冷蔵庫の温度調整などが役立ちます
2022年11月に経済産業省が発表した「2022年度冬季の省エネ・節電へのご協力のお願い」では、冬季ではありますが冷暖房機器の電気使用量の割合が、全体の32.7%を締めていました。
続く電化製品が冷蔵庫で14.9%、給湯設備や照明機器と続きます。
・エアコンフィルターの清掃…約0.8%の節電
・冷蔵庫の温度設定を下げ、詰め込みを避ける…約1.5%の節電
・不要な照明を全て消す…約4.5%の節電
1日の電気使用量において2番目の割合を占める冷蔵庫では、温度設定を「強」→「中」に変える他、冷蔵庫内を詰め込み過ぎない、扉を開ける頻度を減らす、などの細かな節電や役立つでしょう。
この他、おすすめの節電方法が、野菜の下茹ででガスコンロではなく、電子レンジを使う方法です。
・2022 年度冬季の省エネ・節電へのご協力のお願い
スマートハウス化
◇「太陽光発電+蓄電池」の導入によるスマートハウス化がおすすめです
今後も長く続くと予想される2023年の電気代の値上げにおいて、注目されているのが「太陽光発電+蓄電池」によるスマートハウス化となります。
戸建て家庭であれば、屋根にソーラーパネルを設置し、夜間電力にも対応できるよう蓄電池を導入することで、発電量によれば「自家発電+売電」も実現するでしょう。
[メリット]
・長く続く電気代の値上げ対策になる
・自家発電の可能性もある
・停電や災害に対応する
[デメリット]
・初期費用が掛かる
・戸建て住宅などで対応する
太陽光発電単体でも、日中の自家発電や売電も実現しますが、蓄電池を併用することで止まることのない性質の電気を、「貯蓄」して適切な時間帯に利用できます。
初期費用は掛かりますが、2023年の電気代値上げに際し長期視点で検討した結果、近年の災害にも対応するスマートハウス化を検討する世帯が増えました。
・2023年太陽光発電の設置費用相場はどれくらい?何年で元が取れるかも解説
スマートハウスとは?
◇スマートハウスとは、ITの技術により家庭内の電力をマネージメントすることです
前項でお伝えしたように、スマートハウスの定義はさまざまながら、一般的に家庭内の電化製品と連動して、ITがコントロールマネージメントをしてくれます。
管理システムはHEMSと呼ばれ、電力の消費管理だけではなく、家庭内の温度管理やホームセキュリティー面もサポートしてくれる点がメリットです。
・省エネ(エネルギーの制御)…エネルギーコントロール
・畜エネ(エネルギーの蓄積)…蓄電池など
・創エネ(エネルギーの創造)…太陽光発電、エネファームなど
スマートハウスで出てくる「IoT」とは、「Internet of Things(インターネット オブ シングス)」の頭文字で、電化製品やガス製品、冷暖房設備などをそれぞれインターネットで繋ぐことを差します。
2023年の電気代は6月より値上げが実施されます
2023年6月1日から電気代の値上げは、大手電力会社各社で実施されました。
ソフトバンクでんきやauでんきなど、電力の小売り業者である「新電力」でも、2023年4月から6月に掛けて、軒並み30%~50%の値上げが実施されています。
ただし2023年6月時点で電気代の値上げを実施していない大手電力会社は、下記3社です。
・九州電力
・中部電力
この3社は2023年5月16日時点で電気代の値上げ申請を行っていません。
原子力発電の再稼働などによる余力が原因ともされますが、消費者である私達は、今後も動向を確認する必要があるでしょう。