2023年太陽光発電の設置費用相場はどれくらい?何年で元が取れるかも解説
・2023年に太陽光発電の設置費用はどれくらい?
・太陽光発電の設置費用は、どれくらいで元が取れる?
・太陽光発電の設置費用を安く抑えるポイントは?
大手電力会社が軒並み6月から電気代の値上げを実施した2023年、太陽光発電の設置費用の相場動向に注目が集まっています。
本記事を読むことで、2023年における太陽光発電の設置費用と、発電量による売電収入の基準、何年で元がとれるか?、初期費用が高くなる・安く収まるポイントを解説しますので、どうぞ最後までお読みください。
2023年、太陽光発電の設置費用は?
◇2023年度、住宅用太陽光発電の設置費用の相場は25.9万円/1kWとされています
全国的に住宅用太陽光発電は平均的に4.4~4.5kWとされるので、113.96万円からが平均と言えるでしょう。
下記は、2023年2月8日に経済産業省が「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」で発表した、2023年まで数年の太陽光発電の設置費用相場の推移です。
<2019年~2023年:太陽光発電設置費用相場の推移> | ||
[年度] | [1kWあたりの相場] | [4.4kWの場合] |
・2019年 | 30.5万円 | 134.2万円 |
・2020年 | 29.2万円 | 128.48万円 |
・2021年 | 27.5万円 | 121万円 |
・2022年 | 26.7万円 | 117.48万円 |
・2023年 | 想定25.9万円 | 113.96万円 |
・2024年 | 想定25.5万円 | 112.2万円 |
電気代対策として太陽光発電を検討するならば、設置費用と売電収入、自家発電による節約分を、長期的視野でチェックする必要があるでしょう。
・「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」
10年で設置費用は72万円も安くなった!
◇2012年~2022年のデータでは、10年間で72万円やすくなっています
2019年~2022年で3.8万円/1kW安くなっているだけでも充分ですが、2012年の設置費用平均は43.1万円/1kWでした。
上記の図は、2022年12月に資源エネルギー庁が発表した「太陽光発電について」から抜粋したデータです。
<2012年~2022年:太陽光発電設置費用の変化> | ||
[年度] | [1kWあたりの相場] | [4.4kWの場合] |
・2012年 | 43.1万円 | 189.64万円 |
・2022年 | 26.7万円 | 117.48万円 |
・差額 | 16.4万円 | 72.16万円 |
では2023年以降、太陽光発電の設置費用がさらに安くなるかと言えば、2024年、2025年以降は未知数とも言えます。
2022年のロシアのよるウクライナ侵略をきっかけにしたエネルギー不足、物価上昇に伴い、住宅用太陽個発電の設置を検討する世帯が増え、需要が上がっているためです。
太陽光発電設置費用の要素
◇2023年注目される太陽光発電の設置費用は、発電量に比例します
上記の表は、平均的な発電量である4.4kWを基に、2023年の太陽光発電の設置費用相場を出しているので、5kW・8kWと発電量が多くなれば高くなります。
太陽光発電の発電量を上げるためには、ソーラパネルを多く設置しなければなりません。その分、住宅の屋根の面積によって限度があります。
下記では、平均値とされる4.4kWから1kWずつ上げた2023年度の太陽光発電設置費用相場です。
・4.4kW…113.96万円
・5.4kW…139.86万円
・6.4kW…165.76万円
・7.4kW…191.66万円
・8.4kW…217.56万円
・9.4kW…243.46万円
・10.4kW…269.36万円
ソーラーパネルは反射光に対する周辺住民への配慮もあるため、太陽光発電業者に容量は確認してもらいます。
例えば屋根面積が35~40㎡ほどの場合7kWほどが目安ですから、2023年度に太陽光発電の設置費用相場を見るならば、100万円~200万円前後として見当すると良いでしょう。
・太陽光発電の状況:主力電源化に必要な新規案件開発継続
2023年、太陽光発電の設置費用を抑える
◇内訳による選び方を見定めることで、設置費用を抑えます
2023年は太陽光発電の設置費用が2012年当初と比較してぐんと安くなっています。
けれども後悔なく、2023年に太陽光発電の設置費用を安く見定めるには、購入者もそれぞれの機能と特徴を理解して、「自分達で選ぶ」と良いでしょう。
<2023年太陽光発電の設置費用内訳> | |||
[パーツ] | [用途] | [費用目安] | [チェック項目] |
ソーラーパネル | 太陽光を集める | 約14万円~30万円/1kW | ・発電効率(高いと◎) ・耐久性 ・機能 |
パワーコンディショナー | 電力を直流から交流に変える | 約4万円~/1kW | ・変換効率(高いと◎) ・自立運転機能の有無 |
ケーブル(配線) | 約4千円~8千円 | ・耐久性 ・用途 |
|
接続箱 | 配線をまとめる | 約3万円ほど | ・変換効率(高いと◎) |
発電モニター | 発電・売電量を遠隔でチェックする | 約10万円/1台 | ・使いやすさ ・電力の有効活用 |
架台 | 機器を支える土台 | 約2万円/1kW | ・耐久性 ・塩害耐性 |
ソーラーパネルについては、沖縄では塩害リスクにも考慮が必要です。
ソーラーパネルの固定の仕方や、太陽電池の素材が塩害に強いものかも、比較検討すると良いでしょう。
パワーコンディショナーの「自立運転機能」とは、停電時に自動で運転を災害時に切り替える機能です。
新築時に設置すると安くなる
◇2023年現在では、新築時に太陽光発電を導入すると、設置費用が割安です
太陽光発電は配線工事も必要ですから、新築時に設置すると費用も安くなります。
またエネルギーの自家消費を目指す「ZEH(ゼッチ)住宅」では、補助金が期待できる自治体も多いです。
下記は2022年2月に調達価格等算定委員会が発表した、2021年度の後付けと新築の比較データとなります。
<2023年太陽光発電の設置費用:新築との比較> | ||
[状況] | [平均] | [5kWの場合] |
・新築 | 28.0万円/1kW | 140万円 |
・後付け | 30.2万円/1kW | 151万円 |
また何度も討論されている新築時の太陽光発電の設置義務化ですが、東京都では2025年から、新築戸建て住宅に太陽光発電の設置が義務付けられることになりました。
蓄電池を併用する
◇蓄電池の併用により、初期費用の回収を早めます
2023年度、太陽光発電の設置費用を抑える側面ではなく、売電収入によって初期費用の回収を早める観点から見ると、蓄電池の併用がおすすめです。
「蓄電池(ちくでんち)」とは、電気エネルギーを貯める装置となり、通常では留まったり、放電のコントロールができない電気と言う性質を、自在に貯めて利用したい時間に利用できます。
・災害時に対応
・電気を貯める
・任意のタイミングで利用できる
・売電収入が増える可能性
・補助金が期待できる
ひと昔前までは蓄電池の価格帯も高かったものですが、コチラも太陽光発電同様に年々価格が下がっています。
・【2023年太陽光発電】蓄電池とは?「太陽光発電+蓄電池」のメリットデメリットとは
補助金を利用する
◇補助金を賢く利用するには「太陽光発電+蓄電池」が有利です
2023年現在、補助金を利用して太陽光発電の設置費用を抑えるならば、蓄電池の併用が良いでしょう。
2023年現在に国が実施する補助金は、蓄電池を対象としているためです。
ただ国が実施する補助金以外にも、お住まいの自治体で補助金を出している場合もありますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
・【2023年最新版】太陽光発電の補助金は?国と沖縄県の補助金情報
工事費用を抑える
2023年、太陽光発電の設置費用相場はお伝えした通りですが、設置方法により工事代がかさむことも理解するとスムーズです。
経済産業省によると、太陽光発電設置の工賃は7.1万円1/1kWとされますが、屋根の状況や土台の置き方により、当然工賃は変化します。
・瓦屋根
・屋根の向き
・足場を組む
他にもさまざまありますが、屋上にベランダがあり足場を組む形で太陽光発電を設置したり、瓦屋根など、特別な設置になればそれだけ工賃が掛かるでしょう。
複数の業者に相見積もりを出してもらう世帯が多いですが、現場確認をしてから見積りを出してもらうことがポイントです。
相見積もりを取る
◇複数の太陽光発電業者に相見積もりを取り、比較検討します
太陽光発電業者は複数ありますので、それぞれ相見積もりを取ることで、比較検討の材料になるでしょう。
ポイントは単純な値段による比較検討ではなく、費用項目の細かさやアフターフォロー、メンテナンスまで、総合的に見て判断することです。
・工務店
・訪問販売業者
・量販店
・ネット販売
人件費が掛からない分、ネット販売を利用すると、2023年度の太陽光発電設置費用も安く抑えることができますが、相談ができないデメリットがあります。
太陽光発電は性質上、故障もしやすく長く定期的なメンテナンスが必要ですから、費用とともに相性も併せて検討しましょう。
2023年太陽光発電の設置費用は、いつ元が取れる?
◇一般的に初期費用は、約10年~15年で元が取れると言われます
電気代が軒並み値上がりした2023年は、太陽光発電の設置費用を回収する要素として電気代も加算すると、より早い回収となるでしょう。
ただ、住宅用太陽光発電による売電単価は年々下がっているので、売電単価の変化も考慮した資金計画は重要です。
下記は2023年の売電単価16円/1kW、発電量85%の住宅用太陽光発電を想定した、年間売電収入の基準値となりますので参考にしてください。
<住宅用太陽光発電の売電収入目安> | ||
[容量] | [発電量目安] | [売電収入目安] |
・4kW | 4,582kWh | 62,318円 |
・5kW | 5,728kWh | 77,897円 |
・6kW | 6,873kWh | 93,477円 |
沖縄で住宅用太陽光発電が注目された当初は、売電による副収入を目的としていましたが、2023年は電気代の高騰による、自家消費対策が目的です。
そのため売電収入による初期費用の回収ばかりではなく、自家消費にまわすことによる節約面も鑑みて、メリット・デメリットを比較してください。
・【2023年版】太陽光発電6つのメリットとは?今、導入するのは本当に得?
2023年太陽光発電の設置費用は25.9万円/1kWとされます
2023年度、住宅用太陽光発電の設置費用は約25.9万円/1kWとされ、全国的な平均では4.4kW~4.5kWとされるため、100万円~200万円を想定すると良いでしょう。
太陽光発電の場合、ソーラーローンがありますから、太陽光発電業者に尋ねてソーラーローンを利用する世帯が多いです。
ローンと月々支払う電気代、ガス代の合計を比較検討し、結果的に太陽光発電の設置が長期的視野で得になるかを検討します。
電気代の高騰が続く現代に設置を決断する世帯が増えました。
月々のソーラーローンに加えて、定期的なメンテナンス費用、寿命や寿命を迎えた時の修理、解体費用なども考慮に入れましょう。
・【2023年最新版】太陽光発電の故障やメンテナンスの費用相場は?