太陽光発電に蓄電池は必要か?元が取れない・損をするって本当?家庭のタイプ別に解説!
・太陽光発電に蓄電池は必要か?
・高額な蓄電池は元が取れない?
・蓄電池を導入して得をする家庭とは?
2023年の今、一般的に太陽光発電には蓄電池は同時導入ですが、「必要か?」との声も少なくありません。
太陽光発電+蓄電池は高額なため「本当に必要?」「損をするのでは?」と蓄電池の導入を検討する家も多いでしょう。
本記事を読むことで、太陽光発電に蓄電池は本当に必要か?太陽光発電や蓄電池の役割、必要とする・得をする家庭のタイプが分かります。
太陽光発電に蓄電池は必要?役割
◇太陽光発電は電気の創造、蓄電池は電気の保存です
電気は動き続けて止まらない性質を持ち、太陽光発電で電気を創造しても、その時に使用しなげれば、過剰電力として流れていってしまいます。
<太陽光発電に蓄電池は必要?役割> | |
[システム] | [役割] |
[太陽光発電] | ・電気を創造する ・太陽光を電力へ変換 ・タイムリーに使用 ・余剰電力を売電 |
[蓄電池] | ・電気を蓄える ・時間差で使用 |
そのため「太陽光発電に蓄電池は必ず必要か?」と言えば、太陽光を電力へ変換するために必要不可欠な機器ではありません。
けれども太陽光発電に蓄電池を付けることで、動き回る電気を備蓄することができるため、必要な時間帯で適切に太陽光から変換された電力を使用できます。
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太陽光発電に蓄電池は必要?損をする?
◇蓄電池は高額なため、蓄電池単体の導入で損をする家庭もあります
太陽光発電に蓄電池を付ける家庭は必要とするケースが多いでしょう。
けれども太陽光発電を設置していない、オール電化でもない家庭で蓄電池単体のみを導入した場合、「元が取れない」と感じる人もいます。
例えば、下記のような家庭のケースです。
<太陽光発電に蓄電池は必要?損をするとは?> | |
[蓄電池単体で導入] | ・電気は買わなければならない ・蓄電池による節約効果を実感できない |
[家庭で電気使用量が少ない] | (安い時間帯に電力を貯める) ・電気使用量が少なく、電気が余る |
[高い蓄電池を導入] | ・家庭の電気使用量と合わない ・費用対効果がなく元が取れない |
太陽光発電は太陽光から電力に変換する役割があり、充分な日照環境であれば無料で電力使用ができるため、導入した実感もあるでしょう。
けれども蓄電池はあくまでも電気を蓄える役割で、節電として使用します。
そのため、そもそも電気使用量が少ない家庭や、費用対効果の合わない高額な蓄電池を選ぶと、「元が取れない、損をする」と感じる人もいるのでしょう。
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蓄電池の初期費用は?
◇2023年現在、蓄電池の初期費用は約70万円~100万円以上です
太陽光発電に蓄電池が必要か?悩む人が多い理由は、蓄電池の価格が比較的高額だからでしょう。
蓄電池の価格は年々下降傾向にありますが、2023年現代では約70万円(4kwhほど)~100万円以上が初期費用として掛かります。
(蓄電容量や電気供給の機能、設置費用などで価格差が生じます。)
<蓄電池の元は取れるのか?> | |
[初期費用の目安] | …約70万円~100万円以上 |
[寿命の目安] | (メーカー保証) …約10年~15年 (実際の寿命) ・約16年~32年 (15年以降約70%の蓄電率) |
[寿命を長くする] | ・保証内容を確認する ・定期的なメンテナンス |
蓄電池が「元が取れない」と言う場合、「寿命=メーカー保証期間」として計算しているからでしょう。
けれどもメーカー保証期間が過ぎてからも、丁寧なメンテナンスで使い続けることはできます。
また2022年以降、電気代は上がっています。
再エネ賦課金も毎年高くなっていることを考えると、より蓄電池の初期費用は元が取りやすくなっている、と言えるでしょう。
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太陽光発電に蓄電池を必要とする家庭とは?
◇卒FITを迎える家庭や、冷暖房を活用する家庭で活用できます
太陽光発電を導入してから10年間は、導入時の売電単価で売電できる「FIT」契約を、大手電力会社を結んでいることでしょう。
けれども10年間を過ぎると売電価格は自由単価になり、現代では大幅に下がります。
このFIT契約を終える家庭を、「卒FIT」と言います。
<太陽光発電に蓄電池が必要な家庭は?> | |
(1)卒FIT | ・自家消費に転換 ・太陽光発電を夜間に利用 |
(2)ピークシフト (ピークの時間帯をずらす) |
・電気代が高い時間帯を避ける ・電力ピーク時に蓄電池から放出 |
(3)停電リスクが高い | ・日中の太陽光発電を蓄える ・夜間に放出する (全ての電力停止を避ける効果) |
(4)電気代を節約する | ・雨天時にも蓄電した電力を利用 ・夜間に蓄電した電力を利用 |
これから太陽光発電を導入する家で蓄電池を必要とするケースでは、補助金の活用もあるでしょう。
2023年現在、太陽光発電単体の補助金は国からも自治体からもほとんど出ていませんが、蓄電池導入に対する補助金は、発見できる状況です。
人気があり締め切りも早いため、蓄電池の導入を検討したなら国や自治体からの補助金の有無を確認しましょう。
・【2023年最新版】太陽光発電の補助金は?国と沖縄県の補助金情報
太陽光発電に蓄電池は必要?選び方
◇太陽光発電に蓄電池が本当に必要かどうかは、選び方でも大きく違います
「太陽光発電に蓄電池は必要ない、元が取れない」とする場合、家庭の電気使用量や状況、目的に合わせた蓄電池を選べていないことも多いです。
前述したように家庭の電気使用量に合わず、高額な蓄電池を導入した場合、やはり元が取れにくく不満が残るでしょう。
下記の選び方に添って、それぞれの家庭に適した蓄電池を選んでください。
<太陽光発電に蓄電池は必要?選び方> | |
[サイクル寿命] | ・充放電(充電→放電)回数 ・蓄電容量の低減率 (寿命後の蓄電容量が何%になるか?) |
[蓄電容量] | ・自家発電量に適切か? (太陽光発電の発電量) ・家庭の電力消費用に適切か? ・災害時の備えはどれくらい必要か? |
[パワーコンディショナ] | ●ハイブリッド型(一体型) ・太陽光発電と連携する ●スタンドアローン型(単機能型) ・安い夜間電力を蓄電する |
[災害時の対応] | ●全負荷型 ・住宅全体で電気を使う (割高傾向) (電力消費が早い) ●特定負荷型 ・特定した電力のみ使う (安い傾向) (長時間の電力供給) |
太陽光発電に蓄電池が必要かどうかは、家庭の電気使用量や時間帯の状況、そして目的によって適切な蓄電池を選ぶかどうかで違います。
沖縄では停電対策として蓄電池を導入する家庭も多いですが、この場合は「電気をどのように利用したいか?」まで検討し、選ばなければなりません。
まとめ:太陽光発電に蓄電池が必要かどうかは、選び方で変わります
「太陽光発電に蓄電池は必要ない」とする人の多くは、蓄電池が約70万円~100万円以上と高額ななか、寿命10年~15年では「電気代を節約できても元が取れない」と考えるためです。
けれども一般的に蓄電池の「寿命」とされているのはメーカーの保証期間で、実際には保証期間が過ぎても、メンテナンスにより20年以上と長く稼働する家庭もあるでしょう。
・卒FIT
・夜間の電気使用が多い
・停電リスクがある
(停電時に非難しにくい)
また太陽光発電を導入する家庭はほとんどがオール電化ですが、夜間電力が各段に安くなっているため、より蓄電池による節約効果が期待できます。
太陽光発電と蓄電、電力消費のバランスによっては、「自家発電・自家消費の電気代0円」の可能性もあるでしょう。